トップページ > 養育費を決定する重要な「3つのステップ」

養育費の金額を決定していく段階ごとに解決したい「3つの重要点」とは

養育費とは、
子どもが社会的・経済的に自立するまで必要とされる生活費、学費などのお金であり、

離婚する場合には、
その費用を両親で、どのように分担するかを決定する必要があります。

そこで、このページでは、養育費を決定する際によくいただく、ご相談についてお答えします。

養育費の相場については頻繁にお受けするご相談です

法律に具体的な金額が書かれているわけではありませんが、2019年(令和元年)12月23日に、最高裁判所の司法研修所によって、『標準算定方式・算定表(令和元年版)』(いわゆる「新算定式」)が公表されました。

上記のリンク先をクリックしていくと、お子さんの人数(1~3人)と年齢(0~14歳と15歳以上の2区分)に応じて、表が9種類に分類されていますので、義務者(子どもと離れて暮らしている親)の収入と、権利者(監護権者・子どもを手元に置き育てている親)の収入を当てはめていくことで養育費を算定できるようになっています。

たとえば、下記の画像をクリックすると、養育費・子2人表(第1子及び第2子0~14歳)がPDFファイルで表示されます。

(表3)養育費・子2人表(第1子及び第2子0~14歳)(PDF:538KB) この場合の収入というのは、給与所得者の場合では、(従業員から見た手取額ではない)会社から見た「支払金額(=源泉徴収する前の金額)」になります。そのため、手取り額ではなく、源泉徴収票の「支払金額」欄の金額をご確認頂く必要があります。



裁判所が金額等を定めるときの「目安」に過ぎなかったものが「新算定式」においては、裁判所を事実上、拘束する?


すでに述べたように最高裁判所から『標準算定方式・算定表(令和元年版)』(いわゆる「新算定式」) が公表されたわけですが、

養育費・婚姻費用算定表についての説明 (以下)を読むと、最高裁が、かなり踏み込んだ見解を出しています。

極めて、重要なのが、16年ものあいだ、改定されなかった従前の算定表(裁判官・家裁調査官を研究員・オブザーバーとした、東京・大阪養育費等研究会が、判例タイムズNo.1111(2003.4.1)にて発表)が、あくまで夫婦間で協議が整わないときに、家庭裁判所が金額等を定めるときの「目安」に過ぎなかったものが、いわゆる「令和元年版の新算定式」においては、家庭裁判所、高等裁判所を事実上、拘束することになると解釈でき得ることです。

対して、協議離婚の場合、当事者が合意した内容を公正証書にする場合において
(1)「契約自由の原則」があるとはいえ、協議のプロセスにおいては、裁判実務での扱いを念頭に置くことが、ときに必要になること
(2)新算定式以外に、公的な「指標」なるものがないこと
(3)最高裁判所という「お上」が申しているということ

以上を鑑みれば、協議離婚で公正証書を作成するときでさえも、今回の「新算定式」は大きな影響を及ぼすことが推測できます。

※ 養育費・婚姻費用算定表について(説明)からの引用

裁判所においてこの算定表が活用される場合にも、裁判所の最終的な金額についての判断がこの算定表に示された金額と常に一致するわけではありませんし、当事者間の合意でも、いろいろな事情を考慮して最終的な金額を定めることが考えられます。ただし、いろいろな事情といっても、通常の範囲のものは標準化するに当たって算定表の金額の幅の中で既に考慮されていますので、この幅を超えるような金額の算定を要するのは、算定表によることが著しく不公平となるような特別な事情がある場合に限られることになると考えられます。

http://www.courts.go.jp/vcms_lf/setumei_84KB.pdf
(引用終わり)

支払期間は当事者が任意に定めることが可能です

支払期間は任意に定めることが可能とは言え、実際には、

  1. (1)高校卒業月
  2. (2)満20歳に達する月
  3. (3)大学卒業月

上記3パータン、いずれかの中で合意されることが多いです。


養育費の考え方の基本である「生活保持義務」という概念とは自分の生活をある程度、犠牲にしてでも、子供(未成熟子≠未成年者)には自分と同程度の生活をさせなくてはならないという極めて重い扶養義務です。

支払期間は、任意に定めることができますが
民法第881条により「子供の養育費(=扶養を受ける権利)について、父母が勝手に放棄することはできない」と定められています。


ですから、公正証書に、
「中学卒業後、フリーターになった場合、養育費は支払わない」と定めたとしても、無効になります。

父親もしくは母親が再婚後の養育費は・・・


離婚した後、両親ともに、もしくは、父親、母親のどちらかが再婚する可能性は、過去の依頼者の事例を見るまでもなく、実現度合いは決して排除できるものではないと思われます。

事実として、『厚生労働省による人口動態統計「婚姻に関する統計」(平成28年度)』によれば、「夫婦とも再婚またはどちらか一方が再婚」は上昇しております。

平成17年には、25%超え、平成27年度は、26.8%と、いわゆる、「婚活」マーケットにおいては、「4人のうちの1人」が再婚ということになります。


非監護親(父親)が再婚したとしても、いわんや、親権者であり、監護権者でもある母親が、再婚したとしても、法律的にも、生物学的にも、親子であることには変わりありません。

また、母親が、「再婚+養子縁組」したからと言って、自動的に、子どもを引き取らなかった父親が、養育費支払義務から免れるわけではありません。


「再婚+養子縁組」の場合の養育費減免について、法律の明文規定はなく、最高裁の判例があるわけでもなく、下級審の審判例も数少ないですから、裁判官の裁量(家族観など)によるところが大きい(=ケースバイケース)というのが実情かと思います。

公正証書で決めた支払額を変更するには、家裁に減額調停を起こす必要があり、ハードルが高いことは確かです。

法律も絶対ではありませんので、「再婚しても、法律で、絶対に支払われることになっている」とまでは申し上げられませんが、「公正証書で一度決めた支払額は、簡単には変更できない」ということは、言えるかと思います。


子どもの大学進学・学習塾に通う問題

再婚に限らず、大学進学時には、多額の費用が必要です。以下は、拙書『子どもの幸せをを円満離婚のカンドコロ』のp76にも述べていますが、特に、大学進学の進路についての夫婦間でのすり合わせが重要です。

たとえば、


『一般に、成年に達した子は、その心身の状況に格別の問題がない限り、自助を旨として自活すべきものであり、(中略) 親が成年に達した子が受ける大学教育のための費用を負担すべきであるとは直ちにはいいがたい』 という裁判例(東京高裁H22.7.30(家裁月報63巻2号145頁)

上記裁判例や、大学の学費は、親自身が自分の生活に余裕がある場合に限って援助すべきという考え方があります。

ですから、大学の学費や生活費(仕送り代)などを全て負担してもらうのは難しいかも知れません。
  
(上記裁判例は、諸々の事情を考慮して、結論としては、学費・生活費の一部について大学卒業までの支払を命じています)

子供が大学に進学してから、(元)夫に請求しても、必ずしも(全額)支払ってもらえるとは限りません。

ですので、離婚時に取り決めることが可能であれば、ベターかと思います。


大学受験のために、
予備校に通う子どもは珍しくなくありませんが、

この場合、
「信義則上、義務者(非監護親)に負担させることが公平か・・・」
という点を、検討することになりますが、

裁判所は、【諸々の事情】を
総合的に検討して判定するわけです。

(1)義務者(別居親である父)の承諾の有無
(塾の通学について了解していたか否か)
(2)資力の問題

上記の2点は、【諸々の事情】の中で、
最も重視される事情と考えられます。



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