さて、あなたは今、出来れば、配偶者との話し合い(協議)によって、
何とか離婚という「ゴール」を獲得したいとお考えかも知れません。
そこで、問題となるのは何でしょうか?
離婚するにあたって何が障害となっていますか?そうですね、最も悩むトコロは、
1) 子供の問題(親権、監護権、養育費、面接交渉権)
2) 慰謝料(お金)
3) 財産分与(お金)
ではないでしょうか。
どれも簡単に結論が出るものではありませんよね。
では、■子供の問題■から順番にみていきましょう。
私は数多くの離婚問題を扱ってきて、その度に思うことがあります。それは、私が見る「涙」
のほとんどは、夫婦のいさかいに巻き込まれて犠牲になった「子供の涙」なのです…。
いつの世も泣きをみるのは、力の無い弱者ばかりなのです。
平成6年の司法統計調査によると、家庭裁判所で扱った事件のうち、子供がいた夫婦は約
86%です。「三つ子の魂、百までも」という言葉もあります。幼少期に受けた教育、その他の
影響は、計り知れないほど大きく、その後の人生のあらゆる場面に顔を覗かせます。
子供自身は両親=夫婦が何らかの事情によって、離婚という結論を選んだことには逆らえ
ないかも知れません。でも離婚に際し、子供のことは特に慎重に決めておいてほしいので
す。慰謝料や財産分与の問題より重要と言っても過言ではないでしょう。
まず確認しますが、あなたに未成年の子供がいますか?
いる場合は、親権者はあなたなのか、それとも配偶者なのか、これを決めないことには
離婚届を書きあげる事ができませんし、ましてや役所のほうでも離婚届も受理してくれ
ません。ですので、必ず決めなくてはなりません。
では、■親権■とは何でしょう。
それは未成年者に対する「身分上・財産上の養育保護の権利義務の総称」を言います。
ちょっと言葉が難しいですか?そうですね、言うならば、子供が何かするにあたって必要
とされる親の許可の全てを、親権を握ったあなたが有している、ということです。
これに対して、■監護権■とは、そのうちの「身分上の養育保護」を言います。
つまり自分の手元において育てる権利のことですね。
通常は親権者が監護権ももつことになる例が多いのですが、子供が特に幼い場合、
幼児や小学生の場合、親権はお父さんで、実際に育てる=監護権者はお母さんという例も
実際に私のご依頼者にもお見えになりました。
どちらがどうするか、は夫婦で決めることになるわけですが、忘れないでほしいのは、
どういう結論を出すことが「子供にとって幸せなのか?」ということです。
確かに自分の幸せが大事なのは分かります。ですが、幼い子供には親である「あなた」しか
居ないのです。よく考えてみてください。
次に■養育費■を見てみましょうか。
子供が幼いうちは、必然的に、別れた配偶者に対して支払い続けるわけですので、
感情的なしこりを持つ人もいますが、養育費とは、子供が親に対して持っている
「扶養請求権」であり、子供の権利なのです。
子供は扶養が必要な間はいつでも請求できますし、親は親の務めとして、
支払い続けないといけません。
ですが、現在、社会問題化しているように、離婚して何ヶ月かは支払い続けていても、
次第に支払いがストップするということは、あなたも耳に挟んだことがあると思います。
養育費の支払い義務者も、離婚後、また新しい人を見つけて再婚するかも知れません。
会社の業績が悪化してリストラされることも無いとは言い切れません。
子供は俺に似て頭が悪いから、大学なんて行かないだろう、と思っていたら、
期待に外れて?私立大学の医学部へ入学したいと言い出すかも知れません。
そういったあらゆる可能性をシュミレーションして、毎月の養育費の支払い金額を
考えていますか?
ではいくらにしたら良いのだろう?とお思いの方は、次を目安にしてみてください。
平成9年の司法統計年報によれば、子供1人あたり「月2万円〜6万円」、
子供2人の場合は「4万円〜6万円」という取り決めが多いようです。
ですが、実際には、養育費の支払い義務者の支払い能力によって決められており、
その金額はまちまちです。
しかしながら、実際に女性(母親)が子供を引き取った場合において
この金額で生活していくのは困難です。ですので、
離婚後の経済状態を詳細に予測すること!当事務所もサポートします。
参考資料>>>「裁判官が公表した養育費ガイドライン」
・・・年収、子供の人数・年齢によって養育費の標準的な金額が分かりますよ。
※離婚公正証書を作成する際には、上記ガイドラインではなく、ご自身で
離婚後の生活状況を予測(シュミレート)して下さい。詳しくは>>>
養育費についての基本的な考え方は、
養育する義務のある「親の生活レベルに相応する生活」を子供が受ける
ためのお金ですので、親が自分の身を削ってサラ金から借りてまで
捻出する必要はないものと考えられています。
次に、■面接交渉権■とは、夫婦は離婚したとしても、子供の親であることには
変わりはありません。ゆえに、離婚後も子供と会うことができる権利があります。
ただし、離婚した原因によっては、子供と会わせることが、子供の教育上も良からぬ影響を
与えかねない場合もあります。ですので、この面接交渉に関しては、子供の考えを
よく聞いたうえで、慎重に決める必要があります。
通常は、面接頻度、日時、場所、方法などを決めます。

さて、■慰謝料■の問題ですね。
最近のマスコミ等の影響で、何でもかんでも慰謝料がもらえると思っている人も多い
みたいですね。果たしてそうでしょうか?
実は離婚したら、必ずもらえると思われがちですが、実はそうでもないのですよ。
例えば、「性格の不一致」のような、どちらが悪いとは言い切れないケースや、
双方に離婚原因があるような場合では、慰謝料はナシ!ということもあり得ます。
確かにそうですね。「慰謝料」とは、相手方の不法行為によって精神的な苦痛を受けた
場合に、その精神的苦痛を和らげるために支払われるお金だからです。
そしてその慰謝料を支払う義務を負うのは、離婚の場合ですと「離婚原因」を作った方に
なります。これは男性とは限りませんよ。女性が不貞行為を行い、それが原因で別れる
ことになれば、女性のほうが慰謝料を支払わなくてはいけません。
私もよく聞かれるのは「いくら慰謝料をもらえるのですか?」ということです。
残念ながら、答えとしては「分かりません」としか言いようがありません。
「精神的苦痛を慰謝」するためのお金が「慰謝料」なので、
明確にお金に換算するのは難しいのです。
ですが、ご参考までに、裁判離婚のときに考慮される要素を挙げてみました。
あくまでも目安ですよ。
1. 離婚原因
原因が何かによって金額に開きがでる。
不貞行為があった場合は高額化する傾向である。
2. 有責行為の内容
離婚原因となった内容が故意なのか、過失なのか。
一時的なものか、長期に渡っているのか。
3. 婚姻期間
結婚していた期間が長ければ長いほど、高額化する。
4. 資力
相手の支払い能力の問題。「無い者からはとれない」
5. 責任の割合
相手方のみに責任があるのか、それとも自分にも落ち度があったのか。
以上のような要素も踏まえてみると、次の5つのコースに分けることも可能です。
1.1,000万円以上コース
2.500万円 〃
3.300万円 〃
4.200万円 〃
5.100万円 〃
もっと詳しく知りたいですよね。平成10年の全ての家庭裁判所の統計
「司法統計年鑑家事編」を見てみましょう。
のちに説明する「財産分与」と慰謝料の支払い別、婚姻期間別の調査結果です。
| 婚姻期間 |
支払合計平均額
/万円 |
| 全婚姻期間平均 |
380.2 |
| 1年未満 |
140.7 |
| 〜5年未満 |
199.9 |
| 〜10年未満 |
304.3 |
| 〜15年未満 |
438.0 |
| 〜20年未満 |
534.9 |
| 20年〜 |
699.1 |
| 25年〜 |
749.0 |
例えば、結婚後3年で離婚に至った場合は、慰謝料と財産分与を合わせて200万円前後
の金額を支払ってもらえるケースが多いと言えます。
ご自分の婚姻期間に照らし合わせてご覧下さい。
■離婚による慰謝料請求手続きについては、こちらから>>>
最後に■財産分与■を見てみましょう。
マスコミの影響も大きいのでしょう。有名な芸能人夫婦は離婚して慰謝料を
1億円支払うことになった。
ですが、実際には、こういったケースは非常に稀です。それよりも、一般の夫婦では、
「財産分与」のほうが大事であると思います。
では、その財産分与とは、何を意味するのでしょう?
「結婚中に夫婦の協力によって築いてきた財産を離婚に際して、
それぞれに分配すること」を言います。
結婚する前は、「無」だったのが、夫婦生活を経て「有」になったわけですので、
その財産をお互いに分けなくてはいけませんよね。
また、財産分与には「財産の清算」:結婚生活中に夫婦で貯めた財産を清算しようという
性質と、「扶養」:離婚によってその後の生活に不安が生じる場合に、配偶者が金銭を
与えることをもって扶養をはかる、という二つの性質があります。
現在では、妻も社会に出て働き、自分の財産をもっているケースも多いですが、
妻は家事に専念し、夫はサラリーマンとして働いている家庭も多いと思います。
そんな場合、家、マンション、土地、自動車の名義は夫になっているということは
よく聞くお話です。
では、その夫婦が離婚になったとき、財産分与はどうするか?
名義が夫だから、全て夫のものになるか?というと、そうでもありませんね。
夫が外で安心して働くことが出来るのは、妻が家事、育児などを行い、家を守っている、
言わば「内助の功」のおかげですよね。夫が全ての財産を持っていってしまったら、
専業主婦の奥さんは救われません。それどころか、離婚したら、何も残っていないという
状況になってしまいます。
でもご心配なく。このケースでは、夫名義の財産でも、夫婦ふたりで形成したものと
判断されることが多いようです。
では、財産分与の対象となる財産には、どういったものがあるでしょうか?
1. 預貯金:生命保険金のように解約返戻金のあるものも含まれます。
2. 住宅などの不動産:住宅ローンの残金は差し引いて計算する。
3. 有価証券など
4. 家具(タンス、テーブル、椅子、ベットなど)、電化製品(テレビ、ビデオ、パソコン、
デジカメ、DVDなど)、ペット、絵画、骨董品など
5. 退職金など:熟年離婚の場合は、退職金は夫婦の共有財産とみなされ、財産分与
の対象となる。すでに支給が決定している場合はもちろん、あと2〜3年すれば定年を
迎える場合も同じです。
6. 夫が妻の収入に支えられて、弁護士、医師等の高収入の資格を取得した場合は、
無形の財産を取得したものとみなして、財産分与の対象となることもある。
夫婦のカタチはさまざまですから、それ以外にも、財産分与の対象となり得るものは
あると考えられます。
では、反対に、財産分与の対象とならないものには何があるでしょう?
1. 夫婦の一方が自分の両親から相続した財産
2. お嫁入りするときに実家からもらった財産
3. 結婚前から蓄えていた財産、結婚中に自分の名義で得た財産
これらは財産分与の対象とはならないので、離婚して自分で持って出ることが可能です。
何が財産分与の対象となるか否か見てきましたが、みなさん、一番迷い、悩むのは、
そう、その分け方です。
果たして、自分はその財産を形成するのにどれだけ貢献したのか?
非常に曖昧な要素を多分に含んでいますよね。
ここは夫婦お互いによく話し合って決めていただきたいものです。
どの程度の割合が認められるのか、以下は参考までに…
|
専業主婦型 |
家業協力型 |
共働き型 |
| 割合 |
30〜50% |
50%前後 |
50%前後 |
こうして見てみると、一番、面倒な作業がこの財産分与かも知れません。
どれが誰の固有の財産か分かりつらいものです。
離婚するときは、もうお互いに顔を見たくない、早く別れてしまいたい、というお気持ちも
よーく分かります。感情的にすでに修復不可能になった「ふたり」が細かいことを話し合う
というのは大変辛いことです。でも決めなくてはいけないのです。
特に男性のお給料に依存して生きてきた女性にとって、離婚後の最大のネックは、
「お金」です。このお金が確保できずに、離婚を諦める人もいるくらいですから…
さて、ここまでで、1) 子供の問題(親権、監護権、養育費、面接交渉権)、
2) 慰謝料(お金)、3) 財産分与(お金)の問題に関してはおおよそ、
お分かりになりましたのではないでしょうか。
では、その後、どうしますか?
えっ!もう全部話し合ってお互いが合意できたから、離婚届を市役所へ提出に
行きますか?確かに、離婚届を持っていけば、市役所の職員さんは受理してくれます。
でも、本当にそれで大丈夫ですか?
あなたの幸せな未来は永遠に保証されていますか?
離婚するための、配偶者との話し合いは冷静に出来ましたか?
私の見てきた姿は、感情ばかりが先行して、冷静に話し合いが出来ていない
多くの夫婦ばかりでした。
もしくは、完全に開き直って、どうにでもなれ!と半ば諦めがちの夫婦でした。
そんな状況で合意した内容を、永続的に守ってもらうことは可能ですか?
正常な精神状態で交わした契約なら、いざ知らず…
いや、あのとき、ちゃんと約束したのだから、守ってくれるに決まっているよ!と
おっしゃるかも知れません。でも人というのは、月日が経てば、環境も変われば、
気持ちも変わるのです。四六時中、離婚したことばかり考えているわけではありません。
それどころか、忘れて新しい生活にエネルギーを注ぎたいというのが本音でしょう。
では、約束を守ってもらうには、どうすれば良いでしょう?
察しの良い方は、もうお分かりですよね。
そうです。合意した内容を、書面に残しておくことです。
この書面のことを「離婚協議書」といいます。
当然ながら、この離婚協議書は、別れることになる夫婦が、双方署名押印して
1通づつ所持することになります。
なぜ、2通作るのか?そうです。もし仮に片方が、合意内容を破った場合は、
自分がもっている離婚協議書を証拠に相手方を追及することが出来ますよね。
1通しか作っていなかった場合は、紛失した場合には、証拠がなく、最悪泣き寝入りして
しまうことにもなりかねません…
行政書士は、離婚協議書を、あなたに代わって作成する権限を
法律によって認められた、法律の国家資格者です。
あなたの人生の再出発をサポートします。
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